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初めてのタンクドラム

執筆者の写真: NappleNapple

2025/2/20



 タンクドラム(スチールタングドラム)は、金属製のボディに切れ込みを入れたスリットドラムの一種で、クリアで澄んだ音が特徴で、倍音が少なく、シンプルな響きだ。


 もともと、スチールパンの音に惹かれて探していたところ、ハンドパンに出会った。その柔らかい音色に魅力を感じ、さらに調べるうちに、手軽に手に入るタンクドラムを見つけた。実際に最も小さいサイズのものを試してみると、涼やかで綺麗な音がする。ただ、小さい分、打ち間違うこともあり、付属のマレットで叩くと控えめな音がするが、手で叩いたり撫でたりしてもほとんど音が出ない。


 見た目の共通点からハンドパンと似た楽器だろうと思ったが、タンクドラムは「リズムを刻む」楽器であり、簡単に演奏できるのが魅力。一方、ハンドパンは「メロディとハーモニーを奏でる」楽器で、叩き方によって表情豊かな音を生み、音色も大きく異なるらしい。スチールパンやハンドパンにも興味が湧いてきた。



スチールパンの誕生


 19世紀、カリブ海のトリニダード・トバゴには、アフリカから連れてこられた人々がいた。彼らは「タンブー・バンブー」と呼ばれる竹の打楽器を使って音楽を楽しんでいたが、植民地支配者によって「反乱の合図に使われる」としてドラム演奏を禁止されてしまう。


 しかし、人々は音楽を諦めず、空き缶や鍋、フライパンを叩いて演奏するようになった。やがて、第二次世界大戦後に廃棄されたオイルドラムの底を叩くと音程が変わることに気づき、改良を重ねて現在のスチールパンが誕生した。



ハンドパンの誕生


 2000年、スイスの楽器職人がスチールパンに影響を受け、ガムラン(インドネシアの金属打楽器)やウドゥ(アフリカの陶器ドラム)の要素を融合させてハンドパンを生み出した。スチールパンは主にマレット(バチ)で演奏するのに対し、ハンドパンは手で叩いて倍音豊かな響きを奏でる。



タンクドラムの位置づけ


 ハンドパンとスチールパン、どちらの影響も受けて生まれたのがタンクドラムだといわれる。金属製のボディにスリットを入れ、ハンドパンのように手軽に演奏できるが、音の響きは異なる。


  • スチールパン:明るくはじける金属音(マレットで演奏)

  • ハンドパン:柔らかく幻想的な倍音(手で演奏)

  • タンクドラム:澄んだ音でリズムを刻む(スリットドラムの一種)


 それぞれ個性的な響きを持ちながら、つながりがあるのが面白い。スチールパンやハンドパンも、いつか実際に鳴らしてみたい。

2925218タンクドラム

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