2018年4月15日
2018年デジタルファイル再生試聴会に行ってきた。
結論
正直言って分かりません。参加者全員が音の違いを認識できているのだとしたら、私の耳だけ馬鹿だということになる。流石に初対面の参加者に、違いがわかりますかと聞くわけにもいかない。少なくとも、自分で実験した結果と、第三者が構築したシステムで同様に違いを確認する機会を得たことではっきりしたことは、私にとってハイレゾと呼ばれる音源が劇的に音質が良くなるわけではないということだ。いや違うのだという方の意見を否定するつもりはないが。現在普及しているオーディオファイルは圧縮データであっても十分に高音質であり、圧縮されたために失われたデータとか、そもそも録音時にカットされた周波数とかの次元は違いがほとんどわからないレベルだと思う。ただ、そのことを明言するのは少々恥ずかしい気がするのだ。
試聴会は楽しかった。20名ほど集まっただろうか。
試聴に使用したシステム
スピーカー:FOSTEX G1003MG:世界中のメーカーがFOSTEXのスピーカーユニットを使っているそうだ。世界に認められた日本のスピーカーメーカなのだ。試聴に使ったスピーカーはツイーター1個とウーハー3個という構成で、2個のウーハーをミドルレンジで使うという構造で。ウーハーのコーンは独特な波打った形状の純マグネシウム振動板だ。バッフルは33mmのユーカリ合板、天地左右は18mm合板、背面は15mm合板でエンクロージャーができている。低音もしっかりしていて高音もクリアーで伸びがある綺麗な音のスピーカーだ。
プリアンプ:BMC MCCI :BMCは2009年ドイツで誕生した新進のハイエンドオーディオブランド。電流入力による完全バランス接続を可能とした、外部ノイズの影響を極限まで排除する設計のフォノプリアンプ
パワー・アンプ:BMC AMP CS3:MCCIとダイレクト電流結合できるアンプだそうな。どういうことかというと、入力信号はレベルを変えることなくダイレクトにパワーステージにつながり、ゲインを可変することでボリュームをコントロールできるということ。うーんわからん。とにかく大きなメーターと大きなつまみのデザインがふるっている。巨大なトランスの周りに電解コンデンサーの群れが乱立する構造はなかなか見もので。ノイズのないクリアーな音を聞かせてくれた。
USB-DAC:iFI-Audio micro iDSD:トゥルーネイティブOCTA-DSD512/PCM768/Double DXDを再生できるという強者。
USB-DAC:CHORD Quest:出ましたCHORDのDAC。安物っぽいけれどアルミのボディーでずっしり重い、発売されたばかりというQuestの実力を聞くことができた。iFi AudioのDACと聴き比べ。「どうです?ちがうでしょ?」と説明してくれるが。うーん、わかりません!!!
ミュージックサーバー:DELA N1A(メルコ)、fidata HFAS1(アイ・オーデータ):いずれも国産コンピュータ周辺機器メーカーがオーディオ進出した製品だ。従来のアイオーデータやメルコの雰囲気はなくラックスマンのような雰囲気だ。
ところで、ミュージックサーバーの違いで音が違うってほんとだろうか?リッピングしたデータが同じであれば、どのミュージックサーバーを使用しても音質は変わらないのではないだろうか。まして、リッピングするドライブで音が異なるってほんと?そもそもリッピングとは、DVDや音楽CDなどに記録されているデジタルデータを、そっくりそのままの形またはイメージファイルとしてパソコンに取り込むか、パソコンで扱いやすいデータの形に変換して、ファイルにすること。CD-DA形式のデータをコピーしているわけで、圧縮するならともかく、非圧縮で取り込む場合リッピングドライブの性能で音質が変わるわけがない。さらに、解説者はリッピング時の問題点としてファイル名やアートワークについて如何にするかという苦労話をするのだ。確かにクラシックの場合、作曲者で検索したいとか、指揮者で検索したいとか、オーケストラで検索したいとかあるから、自分の好みを決めて、リッピングしたら、その時点でアーティスト名を治しましょうというわけだけど・・・・4500万曲もある音源を楽しもうという時にファイル名が一番悩みとは・・・
試聴概要
今回はリッピングしたミュージックサーバーの聴き比べで、ハイレゾ音源はあまり聞いていない。CD音質をミュージックサーバーとDACを変えた時の違いを聴き比べるというものだった。ミュージックサーバーやリッピングには興味がないので、なぜこれほどリッピングを熱く語るのか理解できない。というのが正直なところだった。
最後に、Spotify、なんとかというサービス、Deezerの紹介を駆け足でしてくれた。音源を提供するサービスの持つ曲数というのは多いに越したことはないが、いくら多くても検索機能が貧弱では使えない。e-onkyoもDeezerも検索がしづらいなど。自分で試聴した以上のことは得ることはなく。最後に、「ロスレスといってもストリーミングはやはりストリーミング、聞いてみる程度のことで、やはりリッピングして聞くのが本道でしょう・・・。」とこんなことをのたまうのであった。
雑感
かつてターンテーブルやデッキを利用していたときは、メカニカルな回転機構が存在するため、回転精度が再生音に如実に影響しワウフラッターがどうの、軸受の磨耗がどうのという議論があった。そこでドラムドライブはゴムの経年変化が問題になるとか、糸ドライブがその点有利だとか、いやダイレクトドライブだとか、軸受にルビーを使うとか、楽しい話がいっぱいあった。デジタルオーディオはメモリー上のデータを読み出すために、メカニカルな変動要素はなくなったけれど。サンプリング周波数がどうのとかビットレートがどうのとか議論は尽きない。時代は変わっても、追い求めるのは「良い音」である。それは、標準をはるかに上回るところで語られている。人がわからんということをわかると言うのがマニアの道なのだ。
追記
音源のサンプリング精度や圧縮精度の違いは私にはわからないけれど、スピーカーの違いはわかる。違いが一番出るところなのだ。アンプ、DAC、音源と遡るほどに、差は縮まり、違いはわからなくなっていく。
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