1970年4月1日
時は高度経済成長のど真ん中。万博で浮かれ、明るい未来を誰もが信じていた頃。父はステレオを買い換えた。中学生だった私は、父の説明に目を輝かせた。カタログには「部屋を揺るがす迫力!恐ろしいほどの解像度、ハッとさせられる音の輝き、さらに音を自由に操作できる音場補正の特性は、音楽のそのソウルまで触れ合う真の音響システムと言えましょう。」と自信満々だ。
高校時代に入り、サイモン&ガーファンクル、ビートルズ、井上陽水や、ある愛の歌、ロメオとジュリエット、サマータイムキラーなど映画音楽を聞くようになった。オープンデッキでエアーチェックをするのがなんとも贅沢な気分を味あわせてくれた。左右にスピーカー、中央にコンソールを配し、上段がプレーヤー、中段がレシーバ、下段にテープデッキが格納できるようになっている。セパレートステレオの典型的なスタイル。当時中流家庭には大抵こんな感じのステレオセットが置かれていた。
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OTTO M-1
ピュア・コン(ITL-OTL方式)によるマルチアンプシステム
総出力 104W
ベルトドライブ式 オートリターンプレーヤー MM式カートリッジ
低音用30cm 中音用16cm 高音用ホーン 3ウェイ6スピーカー
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1974年FMレコパルが発刊、高校生の時にマルディロ氏の絵に刺激されて描いた絵をモチーフに最近着色をした作品。蓄音機風のプレーヤーから伸びだ大きなホーンを前に、ヘッドホンをしている。下にはフック船長の手を食べたワニがいる。イメージの中のリスニングルームだ。
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