2025/2/20

高校生のころ、フォークギターを弾きながらカズーを吹いた。おもちゃのような楽器なのに、ギターの音に絡むと妙にそれらしく響くのがおかしかった。
カズーは十九世紀のアメリカで「ミルク缶のような形の音響装置」として生まれ、やがて今の形になった。二十世紀にはポピュラー音楽にも用いられるようになったという。見た目は笛に似ていて、指を置くためらしい丸い窪みまであるが、これが何の役にも立たない。試しに吹いてみても音は出ず、演奏するには端をくわえ、鼻歌のように声を出さなければならない。そうすると内部の膜が振動し、ブーブーとした独特の音が響く。言葉そのものが楽器に変わったような、不思議な感触があった。
2025218カズー
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