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届かない手紙

  • 執筆者の写真: Napple
    Napple
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

2025/4/17


副題「静かに続いた問題の、ひとつの終わり」


ある日、メールが届かなくなった


 長く使っていたメールアドレス。ある日を境に、そこへ届くはずのメールが消えた。こういうことは、何の前触れもなく起こる。昨年、一度だけ同じことがあったが、運良く復旧した。今回も、しばらく待てば元に戻るのではないか。そう考えて様子を見ていた。だが、沈黙のまま、何も届かない日が続いた。


 長年契約してきたドメインのメールアドレスを、別のプロバイダーのアドレスへ転送する仕組みだった。問い合わせてみると、「転送元のサーバーがブラックリストに入ってしまい、転送先に拒否されている」という。「こちらではどうにもできません」それが答えだった。



長く使ってきたものへの愛着


 このメールアドレスには、無数の記録が紐づいていた。契約時のID、サービスの登録、古い知人とのやり取り。長く使い続けたことで、あちこちに「根」を張ってしまった。だからこそ、すぐに新しいものへ移行する気になれなかった。何より、この仕組みがずっと「当たり前」に機能するものだと思っていた。けれど、もう戻らないのなら、前へ進むしかない。



解決への道


方法は三つあった。

  1. 現在のプロバイダーで新しいメール環境を整える

  2. 別の大手サービスへ移行する

  3. レンタルサーバーを借りて独自のメール運用をする


 それぞれのコスト、管理のしやすさ、将来の安定性を考えた結果、レンタルサーバーを利用することにした。


手順はこうだ。

  1. サーバーを契約し、独自ドメインを設定する

  2. 旧サービスの管理画面で、新しいサーバーへ移行する手続きを行う

  3. 新しい環境でメールを設定し、使えるようにする


 簡単に見えるが、実際には何から手をつければいいのか分からない。いざ設定を始めても、「この項目はどこで変更するのか」「このエラーの原因は何か」と、迷うことばかりだった。けれど、調べて、一つずつ試して、進んでいくうちに、次第に形が見えてきた。



気づけば24年、ようやくの解決


 新しいメール環境になって、今まで気づいていなかった不便さが解消された。特定の端末から送信できなかった問題や、一部のサービスから確認メールが届かない状況も、すべて改善された。


 思えば、このメールの仕組みを使い始めて24年。その間に、技術も、インターネットの環境も、大きく変わっていた。「よく今まで、あのままで使えていたな」とさえ思う。本当なら、もっと早く見直すべきだったのだろう。けれど、それをしなかったのは、「まだ使えている」ことに甘えていたからだ。問題が起きた今だからこそ、ようやく動けた。それなら、それでいいのかもしれない。



これからのこと


 この先、何年か後には、また別の変化がやってくるだろう。そのとき、自分は今回のように対応できるのか。あるいは、もっと早く気づいて動けるのか。まだ分からない。けれど、今回の経験は、確かにひとつの「記憶」として残った。それだけでも、意味のあることだったと思う。

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