2024/12/5

絵を描かなくなって、しばらくになる。その代わりといえば、いまは物語を紡ぐことに夢中だ。
思えば、幼い頃から絵は自然に描き始めていたものだった。何か努力をした記憶もなく、ただ描きたいものを描いていたに過ぎない。それに対して、物語はどうも難物で、書こうとしてもうまく形にならなかった。
ところが、今はどうだろう。想いが溢れるてくる、それをただ書き留めるばかりだ。あの頃、絵を描いていたときのように。そして不思議なことに、今度は絵が、描こうとしても描けなくなっている。
さて、物語を書いていると、様々な場面が浮かび上がる。それがどんな風景なのか、もっと具体的にしたくなる。そんなとき、これまでに描いた絵を紐解き、その中から少しでも物語に合いそうなものを探し出す。
しかし、人が描いたものや、AIが作った絵ではどうにも満たされない。自分の手で描いたシンプルな絵が、いちばんしっくりくる。そして、それでも合う絵が見つからないと、描いてみようかと言う気持ちが湧き起こる。
創作の循環とでもいうのだろうか。何かを表現しようとする力が、形を変えながら訪れるのかもしれない。絵を描くことが自然な流れだった頃の感覚と、物語を書くことに没頭している今の自分。その間に、何か新しい繋がりが芽生えつつある。
もしかすると、本来のお絵描きが、始まるのかもしれない。
Comments