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時空の蟲

執筆者の写真: NappleNapple

更新日:2024年11月29日

2024/11/27


登場人物

陽翔 研究者

花乃 陽翔の恋人



第1章: 不可解な異変


陽翔


 陽翔がその異変に気づいたのは、真夜中の研究室だった。周囲を静寂が支配し、微かに聞こえるのは冷却装置の低い振動音と、データ解析ソフトのスクロール音だけ。彼は視界の端に異様な動きを捉え、ふと顔を上げた。棚の上に置かれていた砂の試料が、まるで意思を持つかのように揺れている。「……なんだ?」陽翔は立ち上がり、ゆっくりと砂に近づいた。空調は止まっており、外部からの振動もない。だが、砂の粒子は浮遊するように動き、薄暗い光の中で奇妙な模様を形成していた。フラクタルのように複雑で無限に広がるかのようなその形は、陽翔の科学者としての本能を刺激した。彼は咄嗟にカメラを取り出し、砂の動きを撮影した。次に、空気中の微粒子や電磁場を測定するため、簡易センサーをセットする。しかし、計器は異常を示さない。「どういうことだ……」陽翔はその場に立ち尽くしながら、胸の奥に奇妙な不安を感じた。この現象には何か意味がある。それは確信だった。


花乃


 翌朝、彼は撮影した映像を持ち、同僚たちに意見を求めた。しかし、返ってきたのは予想外の反応だった。「ただの振動じゃないか?」「機械の誤作動でしょ。よくあることだよ。」どれほど詳しく説明しても、彼らは興味を示さなかった。中には笑いながら「君も休んだほうがいい」と言う者さえいた。陽翔は言い知れぬ孤独を感じた。自分が見たもの、感じたもの。それがどうして伝わらないのか。「……花乃なら、わかってくれるかもしれない。」陽翔は、研究所の一角で環境シミュレーションを担当している恋人、花乃の元へ向かった。彼女は彼が最も信頼する人物であり、誰よりも鋭い観察眼を持つ女性だった。「それ、本当の話?」花乃は陽翔から映像を受け取り、真剣な表情で再生していた。彼女の茶色い瞳が微妙に揺れる。「間違いない。振動や外部要因じゃ説明がつかないんだ。」花乃はしばらく黙り込んだ後、彼を見上げて言った。「この模様……どこかで見たことがある気がする。でも、それが何だったのか思い出せない。」「どこかで見た?」「ええ。これ、自然界にある何かの動きに似てるのよ。」


通過したもの


 その夜、二人は共同で調査を始めた。砂の動きを再現し、可能性のある要因を探ろうとした。しかし、どれだけデータを集めても、原因は見つからない。やがて二人は、不可解な現象の「痕跡」が他にもあるのではないかと考え、次々に関連データを探し始める。砂だけでなく、陽翔の研究室内では微小な磁場の変化や、異常に高いニュートリノ検出量も記録されていた。「これらは関わりがあるのかしら?繋がってるみたい」花乃は眉をひそめ、コンピュータの画面を見つめた。「まるで、何かがこの空間を通過した痕跡のようね。」「通過?」陽翔はその言葉に引っかかった。「それは……生物的な何かってことか?」「まだわからない。でも、これがただの物理現象じゃないとすれば……」花乃が言いかけたその時だった。電灯が一瞬だけ消え、部屋が暗闇に包まれた。「何だ!?」二人が驚いて振り返ると、先ほどまで動いていた砂が完全に静止していた。それはまるで、何かが通り過ぎた後のように静かだった。



第2章: 未知の痕跡


仮説


 陽翔と花乃は翌日、研究所のデータベースから異常現象に関する記録を徹底的に調べ始めた。振動や砂の模様だけではなく、彼らの興味はより広範囲の不可解な現象へと向けられた。陽翔の研究所には、大気現象や微粒子挙動を専門とするチームがあり、そのデータは膨大だった。しかし、二人の目に飛び込んできたのは、意外にも「乱流」に関する奇妙な報告だった。「……この記録を見て、花乃。」陽翔がモニターを指差した。そこには数年前、ある砂嵐の研究中に観測された異常値が記録されていた。「ここ。乱流の発生パターンが異常だ。この時点で明らかにエネルギーの収支が合わなくなってる。」「自然現象のはずなのに、エネルギーがどこからか供給されているように見える……?」花乃は首をかしげた。「でも、自然界にそんなシステムは存在しないはず。」陽翔は画面を凝視しながら呟いた。「これ、今回の砂の動きと似てないか?見えない何かが影響を及ぼしている可能性がある。」花乃は黙り込み、資料をめくりながら言った。「同じような現象が過去にも観測されてる。ダークマターを観測する装置で、偶然記録された磁場の異常データがあるわ。」「ダークマター……か。」陽翔はその言葉を繰り返しながら、頭の中で点と点を繋げようとしていた。


未知の存在の影


 数日後、陽翔たちはさらなる調査を進める中で、奇妙な仮説に辿り着いた。「陽翔、もしこの現象が、『存在』そのものに干渉するものだとしたら?」花乃は立ち上がり、ホワイトボードに図を描き始めた。「次元を構成する要素、例えば空間そのものや、時間の流れを動かす見えない何か。それが原因かもしれない。」陽翔は眉をひそめた。「空間や時間に影響を与える存在……それはあまりにも大きすぎるスケールだ。でも、もしそれが生物的なものだとしたら?」「生物?」花乃は驚いた顔を見せた。「俺たちが目撃しているこれらの痕跡は、生物の活動痕に似ている。」陽翔は続けた。「例えば、ミミズが地面を掘り進むときにできる跡みたいなものだとしたら。次元や時空そのものを掘り進んでいる何かがいるのかもしれない。」「次元を掘る……蟲みたいに?」花乃はポツリと言った。その言葉に、二人は同時に顔を見合わせた。


実験とさらなる異変


 仮説を確かめるため、陽翔と花乃は実験を計画した。磁場や振動、粒子の挙動を精密に記録するための装置を改造し、研究所の隔離室に設置した。「これで、何か痕跡が残るなら捉えられるはずだ。」陽翔は言った。その夜、二人は隔離室にセットしたカメラとセンサーの記録を監視していた。静かな部屋の中、モニターには何の変化も映らなかった。だが、午前2時を過ぎたころ、突然警報音が鳴り響いた。「これは……磁場異常よ!」花乃が叫んだ。モニターには、空間そのものが歪むような現象が映し出されていた。粒子が踊り、砂のような物質が奇妙な模様を作り出す。それは、陽翔が最初に目撃した現象と同じだった。「記録を続けろ!」陽翔は焦りながら装置を操作した。しかし、突然全てのセンサーが停止し、室内の電源が落ちた。「何が起こったんだ?」その瞬間、陽翔たちの耳に聞こえてきたのは、低く唸るような音だった。それはどこからともなく響き、彼らの皮膚にまで振動が伝わるほどだった。「これって……」花乃が呟く。「何かが……ここにいる。」



第3章: 花乃の失踪


消えた花乃


 「花乃!」陽翔は研究所内を駆け回りながら彼女の名を叫んだが、返事はなかった。隔離室で起きた異常現象の直後、花乃はその場から忽然と姿を消した。彼女がどこへ行ったのか、何が起こったのか、何一つわからなかった。隔離室には彼女のメモが開いたまま残されていた。そこには慌ただしい筆跡で、こう書かれていた。「次元が……交差している?この痕跡は、まるで蟲が掘ったような……」陽翔は震える手でメモを握りしめ、部屋を出た。


孤独な捜索


 翌朝、警察に花乃の失踪を届け出たものの、彼らの反応は鈍かった。「研究に没頭しすぎて気分転換に出かけたのでは?」「事故の可能性もありますが……まずは72時間待ってみましょう。」陽翔は拳を強く握りしめた。花乃が「事故」や「家出」で姿を消すような人間ではないことを、彼は誰よりもよく知っていた。「俺が解明するしかない……」陽翔は花乃が残していたデータと、隔離室で記録された全てのログを徹底的に解析し始めた。


異常の痕跡


 ログを解析する中で、陽翔は異常な数値を発見した。「……これは?」彼の目に映ったのは、隔離室内で発生した不可解な磁場パターンだった。それは極端に複雑なフラクタル構造を描き、空間そのものがねじ曲げられているかのような記録だった。「この模様……どこかで見たことがある。」陽翔は頭の中を整理しようと椅子に座り、深く息を吐いた。砂の模様、乱流の記録、ダークマターの痕跡……全てが同じパターンを持っていた。「これは……通り道だ。」陽翔はふと、花乃がメモに書いていた言葉を思い出した。「蟲が掘ったような……」もしこれが単なる物理現象ではなく、次元そのものに干渉する存在が通過した痕跡だとしたら?陽翔は仮説をノートに書き記した。


  • 異常現象は「何か」の通り道である。

  • その「何か」は、物理的な存在ではなく次元や時空を移動する生物のようなものだ。

  • 花乃はその存在と何らかの形で接触した可能性がある。


さらなる異変


 その夜、陽翔は研究所に泊まり込んで実験装置を再起動させた。花乃が消えた状況を再現し、何か手がかりを掴もうとしたのだ。装置が動き出すと、室内の空気がわずかに震え始めた。陽翔は目を凝らしてモニターを見つめる。突然、再び警報が鳴り響いた。「またか!」隔離室内では、砂の粒子が再び奇妙な模様を描き出していた。その動きは前回よりも激しく、まるで空間全体が呼吸をしているかのようだった。陽翔はカメラとセンサーのデータを記録しながら、同時に空間の中心に目を向けた。すると、そこに淡い光の渦のようなものが現れた。「これが……通り道なのか?」彼がそう呟いた瞬間、渦が拡大し始めた。空間が歪み、モニターが次々とエラーを吐き出す。突然、渦の中から微かな声が聞こえた。「……陽翔……」「花乃!」彼はとっさに渦に手を伸ばそうとしたが、すぐに強烈な風圧に押し戻された。「花乃!お前はそこにいるのか!?」しかし、渦はわずか数秒で消滅し、室内は再び静寂に包まれた。陽翔は膝をつきながら呆然とその場に座り込んだ。


痕跡の解明へ


 翌朝、陽翔は一晩中記録したデータを解析した。その中で、渦が現れる直前に記録された波形が、花乃が失踪した時と全く同じであることに気づいた。「やっぱり……同じだ。」陽翔の頭の中で、次元蟲と時空蟲という仮説が浮かぶ。彼らは単なる理論上の存在ではなく、確かにこの世界に影響を与えている。そして、その痕跡が花乃をどこか別の次元へ連れ去った可能性が高い。陽翔は覚悟を決めた。「必ず、花乃を取り戻す。」未知の存在に挑むため、陽翔はさらなる実験を計画し、次元と時空の本質を解き明かすための研究に没頭していく。



第4章: 蟲の正体


想定外


 陽翔は研究室に閉じこもり、再び異常現象を引き起こすための実験準備を進めていた。花乃を取り戻すためには、未知の存在が作り出す「通り道」の仕組みを解明し、自らその空間に入り込む必要があると考えたのだ。しかし、彼が収集したデータを解析する中で、次元蟲や時空蟲と仮称した存在について、想定外の結論に辿り着いた。


次元の揺らぎ


 「これは……」陽翔は前回の渦が現れる直前に記録された波形データを改めて分析していた。そこに見えたのは、あまりにも規則正しいパターンだった。乱雑に見える磁場の変化は、実は極めて高度なフラクタル構造を描いており、それが空間に局所的な歪みを作り出していたのだ。「こんな高度な構造が偶然自然に発生するなんて、あり得ない……」陽翔はホワイトボードに図を描きながら呟いた。「これは意図的だ。何かがこのパターンを作り出している。」彼はさらに調査を進め、ある仮説を立てた。次元蟲や時空蟲は単なる物理現象ではなく、「知性」を持つ存在なのではないか、というものだった。「もしこれが自然現象じゃないとしたら……目的を持った何かが、次元を掘り進んでいる?」花乃のメモにあった「蟲」という言葉が、陽翔の脳裏に何度も浮かぶ。


痕跡と未解明の現象


 陽翔はさらに、他の未解明の自然現象にも目を向けた。これまで研究が行き詰まっている現象――乱流、アモルファス固体、ニュートリノの質量、そしてダークマター。それら全てに共通するのは、「観測不可能な領域」で奇妙な挙動を見せることだった。「ダークマターの質量不足、時間の矢が示す非対称性……これらは全て、次元や時空を横断する存在の影響なのでは?」陽翔は未解明の現象に次元蟲の影響を仮定した方程式を作成し、それらがいずれも矛盾なく説明できることに気づいた。「つまり……次元蟲と時空蟲は、この世界の物理法則そのものに干渉している……!」


蟲との対話


 陽翔は次元蟲との接触を試みるため、装置を改造した。磁場と粒子の挙動を制御し、「通り道」を再現するように設計した装置だ。それは、渦を安定的に発生させ、その空間内に自分自身を送り込むことを目指したものだった。夜遅く、実験が始まった。装置が稼働すると、空気が振動し、前回と同じように空間が歪み始めた。渦がゆっくりと形成され、その中から微かな音が聞こえた。「……陽翔……」「花乃!?」陽翔は迷うことなく渦の中に飛び込んだ。だが、そこには空間の裂け目のような暗闇が広がっていた。音も光も存在しない中、ただ一つ、彼の耳に届いたのは不規則な振動の響きだった。それは……言葉のように感じられた。「……何者だ……」陽翔は驚き、声を上げた。「お前は……何者なんだ!?」しかし、返ってきたのは断片的なメッセージだった。「……干渉するな……これは……秩序だ……」陽翔は混乱した。だが、言葉が続くにつれて、その意味が少しずつ明らかになった。「……我々は……次元の……守護者……」


次元のスケール


 陽翔が聞き取った情報をもとに、次元蟲の正体は少しずつ明らかになった。彼らは人類が理解できる生物でも機械でもなく、次元や時空そのものの構成要素に近い存在だった。彼らは次元間のエネルギー流を調整し、この宇宙の「秩序」を保つ役割を担っていた。だが、その行動は人類にとっては異常現象や災害として認識されるものだった。陽翔は渦の中で問いかけた。「花乃はどこだ?お前たちが彼女を連れて行ったのか?」次元蟲の「声」が響いた。「……彼女は……干渉者……安全を保つため……一時的に……排除した……」「返してくれ!彼女は何も悪いことをしていない!」「……干渉者が……次元の秩序を……乱す……」陽翔は拳を握りしめた。「俺たちは秩序を乱したりしない!彼女を返せ!」渦の中で空間が震え、次元蟲が再び応えた。「……お前たちの存在……可能性……次元の未来……」次元蟲たちは陽翔の言葉に反応を示し、次元間のエネルギー流に変化が生じた。そして、その直後、渦が強烈な光を放ち始めた――。



第5章: 秩序と可能性


 渦の光が消えると、陽翔は突如として見知らぬ場所に立っていた。周囲には無限に広がる幾何学模様が輝き、重力も時間の流れも曖昧だった。その中心に、花乃がいた。「花乃!」陽翔が駆け寄ると、彼女は目を開け、ゆっくりと微笑んだ。「陽翔……来てくれたのね……」彼女の声はどこか弱々しく、それでも安心した様子だった。陽翔は彼女の肩を掴んだ。「よかった、怪我はない?ここは一体……」花乃は周囲を見回しながら答えた。「ここは『彼ら』の中……次元と次元の狭間にある場所……」「彼ら?」その瞬間、空間が震えた。陽翔は再び次元蟲たちの「声」を聞いた。「……干渉者たちよ……我々の領域から去れ……」


秩序を超える選択


 陽翔は渦の中で得た情報を元に問いかけた。「お前たちがこの次元を保っているのは分かる。だけど、俺たちは秩序を乱す存在じゃない!花乃を解放してくれ!」「……お前たちの存在そのものが……次元のバランスに影響を与える……」「だったら教えてくれ!どうすればいいんだ?俺たちに何ができる?」次元蟲たちは沈黙し、空間の模様が変化し始めた。彼らは再び語り始める。「……可能性の評価……お前たちの選択次第……」陽翔は理解した。この状況を乗り越えるには、ただ解放を求めるだけでなく、人類の可能性を証明する必要があるのだ。


未知の挑戦


 次元蟲は、陽翔に「試練」を課した。それはこの空間の中で「秩序を保ちながら可能性を広げる」方法を見つけることだった。その試練は、次元と次元を繋ぐ複雑なエネルギー流を操作し、異なる世界が衝突せず調和を保つ状態を作るものだった。陽翔は花乃と協力し、これまでの研究で得た知識を総動員して試練に挑む。「花乃、このフラクタル構造のパターンを見てくれ。エネルギーの流れに秩序があるんだ!」「でも、それだけじゃなくて、ランダムな変動が未来の可能性を示している……!」二人は互いに補完し合い、装置を操作して次元のエネルギー流を安定させていく。次元蟲たちはそれを観察しながら、再び声を響かせた。「……可能性を維持しながら秩序を守る……それがお前たちの選択か……」陽翔は力強く答えた。「そうだ!秩序と可能性は両立できる!」


結末の兆し


 空間の揺らぎが収まり、陽翔と花乃の周囲に光が満ちていった。次元蟲たちの姿はその中に溶け込み、最後に一言だけ残した。「お前たちの可能性を信じる……だが、その責任も負え……」光が消えると、陽翔と花乃は元の世界に戻っていた。実験室の中で目を開けると、装置は静まり返り、異常現象は完全に消え去っていた。花乃が陽翔に微笑みかけた。「戻ってこれたのね……」「花乃……」二人は強く抱きしめ合った。



エピローグ: 未来への一歩


 その後、陽翔と花乃は次元蟲の研究を続けながら、世界に起こる未解明の現象が新たな可能性を示すものだと提唱した。乱流の中に、アモルファス固体の中に、そしてダークマターの振る舞いの中に――次元蟲たちの痕跡を探しながら、人類と未知の共存を模索する旅が始まった。「未知の存在に出会い、それでも共存の道を見つけた。これが人間の可能性なんだ。」陽翔はそう語り、花乃と共に未来を見据えた。



「時空の蟲」完


 

あとがき


これはこんなアイデアから生まれた。



 「次元虫とは。互いに異なる次元に雌雄が生息している。次元虫と共生関係にある時空虫が存在する。この次元虫と時空虫が繁殖の時期を迎えると、お互いにアレルギーを起こす。アレルギーのせいで次元虫の雌雄は同じ次元に現れる。このとき生殖を果たす。」というのが最初のアイデアだった。物語ではなかなか次元虫と時空虫という違いとか、最初のアイデアをうまく活かすことはできなかった。



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