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雨の匂い

  • 執筆者の写真: Napple
    Napple
  • 2024年11月20日
  • 読了時間: 1分

更新日:2024年12月13日

2024/11/20


 女子大が共学化していくのは、時代の流れというものか。「女子大」という言葉には、単なる教育機関以上の響きがあったものだが、なんだか物悲しい。


 私の通った大学は共学だったが、専攻した学科には女子学生がほとんどいなかった。だから、女の子と知り合う機会といえば、山登りで交流のあった他大学の女子たちくらいだった。関西には女子大が数多くあり、その名前を挙げるだけで当時の空気がよみがえる。


 女子大は、男子にとって「禁断の園」だった。近づきたいが近づけない、謎に包まれた異世界。その敷居をまたぐことが許される唯一の機会が学園祭だった。


 秋の雨上がり、女子大の学園祭を訪れたことがある。彼女に会いに行く照れくささに加え、知り合いに出くわす気まずさでどうにも落ち着かなかった。顰めっ面で誤魔化しながら、「ネクタイなんかして来るんじゃなかった」とひそかに後悔した。それらすべてを雨の匂いと共に思い出す。




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