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1.9lの魔法びん 第三部プロット

執筆者の写真: NappleNapple

更新日:2024年12月1日

2024/11/25


来るべき世界


登場人物


マスター 喫茶店「1.9lの魔法びん」のマスター

陽(はる) 1.9lの魔法びんの常連客

蒼(あおい) 1.9lの魔法びんの常連客で陽の友人 

凪 (なぎ) 蒼の彼女

悠(ゆう) 陽の友人

葉(よう) 悠の彼女

無口な男 1.9lの魔法びんの常連客

事の起こり:1.9lの魔法びんの名前の由来


 「1.9ℓの魔法びん」という不思議な名前の喫茶店。2ℓに少し足りない。1.9ℓはなんだか中途半端で割り切れないけどもう少しで満たされそうな気配があり、「魔法瓶」は特別なものではないけれど「魔法びん」には何か魔法がかかっているような雰囲気がある。


 扉を開けると、どこか懐かしい香りが広がる。壁に掛けられた古びた時計は時を刻むのをやめて久しい。この店の名前に込められた意味を知る者は少ないが、常連たちはそれぞれの思いがあるようだ。


 ある日、無口な男が店のカウンターに座った時、マスターが静かに語りかけた。「1.9lの魔法びんは、ちょうど人間の心の大きさを象徴している。1.9lという数字は、満ち足りることも、空っぽになることもない、絶妙なバランスなんだ。」


 男は黙って聞いていた。マスターの言葉を自分の想いで置き換える。一人で生きるのに必要な『自分の分』が0.9リットル。そして、他人と分かち合うための『余剰分』が1リットル。それを合わせて1.9リットル。人間の心は常に変化し続けるものだが、1.9lという容量が適度に満たされるのにちょうど良い気がした。


 「1.9lの魔法びん」という名前が、日々の中でささやかな奇跡を引き寄せる場所として、何気なく人々に寄り添っている。心の隙間を埋めるものは、時に会話や沈黙、そしてほんの少しの温かさだ。そのことを、この店の名前は教えてくれる。


 

第一の物語:学生時代~社会人の陰で


 第一部で語られた陽(はる)の物語が、今度は彼を取り巻く人たちの視点で語り直される。陽が成し遂げたことや彼の成長は、他の人々にはどう映っていたのか。喫茶店の常連たちは、それぞれ陽とどんな関わりを持ち、何を感じていたのかを語ることになる。


 花は、陽が大学時代から一生懸命に生きる姿を見てきた。彼女は、陽が過去に直面した挫折を知っているからこそ、心から彼を応援していた。しかし、花は言う。「彼は一生懸命すぎるからこそ、自分を傷つけてしまうところがあった。でも、そんな彼が好きだった。」


 蒼は、陽の成長を見守りながらも、常に彼の背中を押すことができなかったことを悔やんでいた。「陽は、人のために何かをしているようで、実は自分自身を一番大切にしていなかった。あの時、少しだけでも彼に言葉をかけてやりたかった。」


 悠もまた、陽が成功を収める中で、彼の心の中にある空虚さに気づいていた。しかし、それをどうすることもできなかった。「陽が何を求めているのか、それがわからなかった。でも、成功の裏側には必ず何かが隠れていると思っていた。」


 陽は一生懸命だった。しかし、その努力が必ずしも報われるわけではなく、誤解されることが多かった。そして、陽が抱えていた心の葛藤には誰も気づかなかった。彼は、ただ進み続けることが自分に与えられた使命だと思い込み、孤独に苦しんでいたのだ。


 

暗転:何かが違う


 物語が進むにつれ、登場人物たちは次第に「何かが違う」という感覚を抱くようになる。蒼は、順調に見える自分の生活に違和感を覚えるようになった。「僕は何をしているのだろう?自分が本当に欲しいものは、どこにあるのだろうか?」


 凪もまた、表面上の成功に疲れ果てていた。恋愛も仕事も順調に思えたが、心の中にぽっかりとした空虚感が広がっていた。「何かが違う。これでは満たされない。」


 無口な男も、その違和感を感じていた。彼は誰とも深く語り合うことはなかったが、店に来るたびに周囲の人々の心の中に隠された寂しさを感じていた。陽もその一人だった。


 それぞれが感じていた「何かの違い」が、次第に物語の核心に迫る手がかりとなる。それは、単に一人一人の進化だけでなく、彼らが関わり合うことで起きる新たな変化が必要だということを示唆していた。


 

第二の物語:挫折の中での苦悩と成功の陰で


 第一部の物語がもう一度語られた。しかしそれは、マスターや友人たちが語る物語で、第二部の物語が盛り込まれ主体が、友人たちだ。


 第一部の主人公武が主体とはならないことで。見えなかった意図が見えてくる。同じストーリーが語られる中で、主人公が感じてたことと、周りの友人たちが思っているだろうと思ってたことは食い違っていた。そう、自分が思っているように周りの人も思っているとは限らない。そんな二面性を描いていく。そこに真実の姿が浮き上がる。


 

大団円:来るべき世界


 物語の終盤、登場人物たちが次第に理解していくのは、「人は他者と共に進化することによって初めて真の進化を遂げる」という真実だ。それは、これまでの孤独な戦いが意味を持つ瞬間が来ることを意味していた。


 最終的に、無口な男が語る。「来るべき世界には、希望と闇が共存している。しかし、それを超えて行くのは、人間の持つ無限の可能性だ。人々が心を一つにして生きることで、次第に世界が変わり始めるだろう。」そして、全ての鍵は「人は人のために己を活かすとき、初めて本当の幸せを得られる。」という真理だ。


 そして、物語は締めくくられる。来るべき世界は、明るい未来かもしれないし、試練の連続かもしれない。しかし、その先に進むべき道があることは確かだ。人間が抱えている無限の可能性は自分を信じること、そして自分を自分のためだけではなく、共に生きる人たちのために使うこと、それに気づいた登場人物たちはその先を歩んでいく。



第三部「来るべき世界」完



 

追記


 第一部の物語がもう一度語られる。しかしそれは、全く別の視点の物語。そんな二面性を描いていく。それはまるで奇跡の瞬間かもしれない。


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