2018年3月23日
真空管の寿命は一般的には5000時間と言われている。普通の使い方なら5年〜7年程度とあるが、毎日8時間聴くと625日、約1年7ヶ月となる、寿命がきたら真空管を交換すればいいのだが。真空管は高価な消耗品だ。
真空管のエージングは必要なのか調べてみた。エージングとは一定期間通電したり動作することで安定動作を確保するのが目的である。スピーカーなどはある程度エージングを行うことでエッジの歪みが取れ安定するようだ。真空管の場合はエージングによって音が良くなることはないようだ。
球転がし「チューブ・ローリング」とは、真空管のメーカを変えたり互換性のある真空管に交換して音の変化を楽しむことだ。TRK-3488は互換機だけでなくEL34とKT88で楽しむことができる設計となっている。今はEL34で聞いているが、しばらくしたらKT88を試してみたい。入力段の12AX7もJJ Electronicのものを用意しているのでメーカー違いを試してみたい。
EL34 の互換機 6CA7
KT88 の互換機 6550
12AT7 の互換機 ECC81
12AU7 の互換機 ECC82
12AX7 の互換機 ECC83
真空管は今も、中国、ロシア、東欧諸国で生産されている。主なメーカーはElectro Harmonix(ロシア)Sovtec(ロシア)曙光電子(中国)JJ Electronic(スロバキア)などだ。今回使用している真空管は複数のメーカーが生産しているので聞き比べることができる。無くなる心配も当分いらないようだ。
球転がし用に用意した JJ ELECTRONICのKT88、ECC83(12AX7)
KT88はMcIntoshMC275に、12AX7はMarantz#7と何も憧れの名機に使用されていた。
TRK-3488キットに装着されていたEL34、12AX7
真空管アンプとトランジスタアンプの音が違う要因
トランジスタは、増幅素子が封じ込められているので振動で共振を起こしにくいが、真空管は金属板と金属線がガラスの筒に収められ、外部からの振動で共振を起こしやすい。増幅素子の共振が真空管アンプにエコーをかけたような変調を生じさせ、独特の艶を感じさせる音を出現させている。
真空管アンプの歪みは偶数次が大きく奇数次が小さい。これに対してトランジスタアンプは偶数次よりも奇数次の歪みが多くなりやすい。この特性の違いによる音の違いが生じる。
真空管アンプは出力にインピーダンスマッチングトランス(出力トランス)を用いている。出力トランスは特性上、超低域と超高域を再生できない。そのために真空管アンプの周波数特性は、トランジスタアンプよりも劣ることになるが、可聴帯域以外のノイズを遮断するため、響きが柔らかく暖かく感じられる。
ダンピングファクターも真空管アンプはトランジスタアンプに比べ極端に低いため、ユニットの慣性質量が大きいスピーカーや重いコーンを使ったウーハー(B&W等)は、うまくドライブできず歪みとなる場合がある。必ずしも劣るわけではないが、相性がある。トタンジスタアンプより非力であることは間違いない。
アウトプットトランスが小さいアンプは周波数が低くなると出力が低下するため、低音が出ない。大型のアウトプットトランスを搭載している場合は、ふわりと部屋いっぱいに広がる低音が感じられる。
こうした特性を知った上で、改めてMy Systemを聞いてみると。わかったような気になるのが面白い。
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