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執筆者の写真Napple

音空間

更新日:2018年10月3日

2018年3月20日



iTunesで音量調整と音色コントロールを行うことができるため、音量はiTunesの設定を最大にして、TRK-3488で好みの音量に調整することにした。DACは一切操作することはない。通常プリ・アンプが担当するセレクタと音色コントロール操作はiTunesで行うため不要となる。必要なのは小信号をパワー・アンプに渡すための前段プリ・アンプ部のみ、ちょうど今回のシステムのように、音量調整だけの、プリメインアンプとコンピュータの構成がいい。余計な回路を通さない分ピュアになる。


アンプのボリュームを10時あたりで聞いていたが、二日ほど聞いたところで9時に改めた。日増しに音が出てきているように感じる。

 

オーディオ店で聴き比べをしたジョン・コルトレーンのブルー・トレインをかけてみる。KEFやB&Wを聴いた時の臨場感、サックスの鳴き始めの泣きたくなるような恍惚感が蘇る。並べて比較したわけではないから厳密な違いはわからないが、なかなかいい。


Macからの再生を停止した時の残留ノイズ、ヒス音は聞こえない。


音出しの一発目に聞いたJean-Marc Foltz & Stephan Oliva の I Can't Get Startedは偶然だったが組み上げたシステムの良さが強烈に記憶に残るいい選曲となった。何気なくApple Musicのチルアウト・ジャズというPlayListを聞いていてそんな中でちょうど巡り合ったのがこの曲だった。クラリネットがしみじみと鳴り、ピアノが合わさって、はらわたに染み渡るように語りかけて来る。真空管のヒーターが温めてくれたような暖かな曲なのだ。システムを組み上げた最初がこの曲だったことは幸せだった。


ロフトで西壁を背に、壁から10cmほど離し、50cmの間隔でスピーカーを設置した。リスニングポジションは1mほど離れた位置。アンプはスピーカーの中央。スピーカーにインシュレーターをかませ、50cmのスピーカーケーブルで接続、アンプとDACの間は2.4mのケーブルで接続、アンプの電源はアース接地を行なっていない。厚さ18mmの集積材で作った本箱の上に置いている。本箱はちょっとしたホーンになっているかもしれない。金勾配の屋根が右側スピーカーの上部に覆いかぶさっている。残響感はほとんど感じないが、オーディオを設置したあたりは、壁と屋根が迫っているため、反響音がプラスされ、無指向性スピーカーの要素が加味された音になっているのかもしれない。音に広がりがあり、低音も効果的に響いているように感じる。家の中では十分な音量だが、幸い屋外へ音の漏れは感じられない。スピーカーの高さはちょうど私の耳の高さだ、私は主に北側を向きMacに向かい合っているため、スピーカーは私の左側でなっている。


年とともに聴覚は衰えるけれど、音に対する感性は若い頃に負けはしないつもりだ。むしろ磨かれているかもしれない。このシステムは今までのどのシステムより豊かで自然な感じがする。録音技術が日増しに向上するおかげで、音質が良くなっている。ストリーミングサービスを利用するメリットッは、そうした新しい音源を湯水のように聴きあさることができる事だ。求めていた音がここにある、4500万曲という膨大な音楽ソースがある、さらに曲数は増えるだろう。一生をかけても聞けない膨大な音楽。自分の好きな音楽を探すのは冒険に似ている。素晴らしい音楽に出会えた時の喜び、素晴らしい音楽を自分好みの音で聴く、自分で作り上げた音空間に浸る喜びが加わった。




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