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執筆者の写真Napple

良い音とは 

更新日:2018年10月3日

2018年3月15日



良い音とはなんだろう。よく聞くのは「原音再生」。例えばタイムドメイン理論をもとに設計されたスピーカーは正確な音を再現するとある。音響特性(周波数特性)ではなく、実際に耳に届く時間軸を中心に音作りをするらしい。理屈では分かったような気になる。タイムドメイン理論に基づいた無指向性スピーカーのYosii9を聞いたビル・ゲイツが「自宅の7000万かけたオーディオより良い音だ」と言ったという逸話がある。そこでこの理論をもとに設計されたeclipseの音を聞いてみた。なんとなく期待外れな感がある。なんだか薄っぺらな音に感じたのだ。正確な音が良い音とは限らないようだ。


高級オーディオは。値段を知っているが故に、ありがたがってしまって、きっとこれが良い音なのだろうと思ってしまっている節がある。はたして本当に良い音なのだろうか。高級スピーカーは音量を上げるからノイズが気になる。アヴァンギャルドの音を聞いた時も、フルートの音は心地よかったけれど、ノイズが気になった。昔大阪の音楽喫茶バンビで聞いたパラゴンも、ノイズが気になった。ノイズは大敵だ。どんなに再現性が良く、定位が良いとしても。ノイズが乗っていると気になって仕方がない。疲れてしまう。


むしろ小型のブックシェルフタイプは音量が低いせいかもしれないが、ノイズがなく、綺麗で繊細だ。良い音は、気持ちの良い音、いつまでも聞いていられる音、それは正確な音ではないかもしれないけれど、艶があってうっとりする音だ。高価だから良い音とも限らない。


高級オーディオは所有する喜びが占める割合が大きいのではないだろうか。とんでもなく高額なスピーカーは、とんでもないデザインをしていたりする。アヴァンギャルドもしかり、ノーチラスやパラゴン然り。そのいでたちは見ているだけで痺れてしまう。デザイン性に引き込まれ憧れる。しかし、高額であるほど、聞き手は耳を澄ましシビアな評価を下す。そんなに高いのにこの程度の音なのって。いよいよいい音がわからなくなる。


Apple Musicをより良い音で聴きたいという思いを実現するために、真空管アンプとJBLを選んだ。この選択が間違い無いか確認しようとしている。ところが実際の音に対するイメージは2年ほど前にオリジナルスピーカー試聴会で聞いた無指向性スピーカーの音像が色濃く記憶に刻まれている。かつてMcIntosh MA6200JBL4425を使っていた頃聞いていた音を思い出そうとしても思い出せない。当時BOSEのMM-2の音像が広がる音が気に入って、4425よりMM-2を聴く方が多くなっていたことを思い出す。不本意ながら手放すこととなったが、音を覚えていないという事実が、愛着のなさを物語っている気がする。自分の中の音に対するイメージは矛盾だらけだ。紆余曲折しながら、あらためてJBLが聞きたくなった。そして、デジタルな音源を真空管アンプで聞こうとしている。この組み合わせが果たして・・・。


良い音とはその人が好む音のことで。万人が同じではない。


2016年2月6日オリジナルスピーカー試聴会でTom’s labの無指向性スピーカーを試聴したときこんな風に感じていた。「一般的なスピーカーと聞き比べをさせてくれた。無指向性スピーカーのリアルなサラウンド効果を体感。通常のスピーカーもいい音してたのだけど、カーテンの奥で鳴ってるようなところがあって、無指向性スピーカーにした途端、カーテンが外されたような感覚がした。」余談だが、この時ライト・イアの平面スピーカーユニットC0607-200-Nを入手した。帽子に組み込もうと思ったのだが、いまだに箱の中に入ったままだ。Tom’s labもライト・イアも浜松の会社であるというのが嬉しい。いつかオフィスを訪ねて見たいと思う。


「原音再生」や「定位」のはっきりした音へのこだわりはあまりない。私が好む音は、生粋のオーディオマニアなら眉をしかめそうな、無指向性スピーカーのような音なのかもしれない。さてさて良い音とは・・・


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