2018年5月7日
TRK-3488のNFB(ネガティブフィードバック)をオンにして聞いてきたが、オフを試した。
目的:ON/OFFでどのような音質変化があるかを確認すること。
方法:Deezerで比較した9曲の試聴比較を行なう。またFFTWaveVer1.1(iPhoneXの波形解析アプリ)を使用し、1分前後4312MIIからの音を周波数分析したピーク値(赤)、平均値(紫)を比較する。
NFBとは:出力の一部を入力に戻すことで、全体のゲインは低下するが、帯域幅が向上し歪みも減少させることができるというもの。回路図を見ると、ON:6.8kΩ、OFF:33kΩの抵抗を切り替えているので、全く帰還をなくすわけではない。
試聴結果
1曲目:キース・ジャレット:ケルン・コンサート
ON
OFF:ピアノがダイナミックな感じ。
2曲目:ビートルズ:イエスタデイ
ON
OFF:ポールの声が艶やかに感じる。
3曲目:テイラー・スイフト:Shake It Off
OM
OFF:メリハリのある音。
4曲目:スイス・ロマンド管弦楽団 & エルネスト・アンセルメ:牧神の午後への前奏曲
ON
OFF:ざらついた感じが強調されるかも。
5曲目:パヴェル・ハス・カルテット:ドヴォルザークのアメリカ
ON
OFF:チェロの音色が艶やかに。
6曲目:ジョン・コルトレーン:ブルー・トレイン
ON
OFF:サックスの鳴きが飛び出してきた。
7曲目:ジーン・マックフォルツ:I Can't Get Started
ON
OFF:クラリネットがより艶やかに。
8曲目:サイモンとガーファンクル:アンジー
ON
OFF:少し歪みを感じるだろうか、その分ダイナミックな感じになる。
9曲目:マイルス・デイビス:Générique (Du film « Ascenseur pour L'echafaud »)
ON
OFF:あまり違いを感じない。
結論
オンにすると音は整うけれど、音量が下がり、躍動感や鮮度が落ちる印象がある。真空管アンプのよさも低減されるのだろうか。オフは総じて音量が上がり、かといって歪みははっきり感じない、くっきりした音になった気がする。反面、音に角が目立ち長時間聴くには少し疲れるかもしれない。たまにON/OFF切り替えて楽しむのも良いかもしれない。
追記
「真空管アンプで負帰還なんかかけるもんじゃない、真空管アンプの良さが台無しだ。」と仰る先輩がいる。そうなのかもしれない。
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