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執筆者の写真napple

ゴジラの肖像

2022/5/16


 またしてもゴジラを描いた。なぜゴジラが好きなのだろう。今まで考えたことがない。好きなものというのは何か理由がありそうでこれといった理由などないことを、Miniが好きな理由を考察したときに感じた。でもあえてゴジラが好きな理由を、ゴジラを描きながら自問してみることにした。


 幼い頃、絵は、何も見ず思いのままに描いていた。そういった絵では限界があることを感じて、手本になるものを見ながら描くようになり、最近は写真をベースに描くようになる。すると、今度は何かを見ないと描けないようになっていた。でもそういった絵は自分の絵ではない気がする。コンピューターで絵を描き始めて7年、1000枚を超える絵を描き道具にも慣れた。そこで、子供時代のように、なにも見ずに描いてみた。描き始めるとそれはゴジラになった。腫れぼったい目と、ほっぺたの膨らみが私の中のゴジラの特徴だ。


 今までのイメージを引きずった絵に思える。そこで、もっとイメージで描いてみた。それは一種の自画像に思えた。


 面白くなって、自画像とゴジラの融合を模索し始めた。幾何学的なデザインの中にゴジラを収め、そこに自画像を重ね、色をつけた。


 ピカソだなこれは。もっと自分らしくと模索を進めてゆく。


 オリジナルのつもりでも、どこかにありそうな絵になる。それは仕方のないことだ、描き方にこだわらずに、描いてみよう。そうするとゴジラを自画像に重ねるつもりがなくても、なんとなくゴジラが自分の自画像になっていってしまう不思議を感じる。

 そうして出来上がったゴジラの肖像。ゴジラを描こうとせず自画像そのものを描いた結果これこそがゴジラに見える。

 ゴジラが好きなのは、そこに自分がいるような気がするからかもしれない。


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