大友克洋との出会いは「もう気分は戦争」だった。
私が出会った大友克洋の作品。
1982年:もう気分は戦争
1983年:童夢
1983年:AKIRA 1-6
1983年:幻魔大戦 キャラクターデザイン
1987年:ロボットカーニバル
1986年:迷宮物語
1991年:老人Z
1995年:MEMORIES
2001年:メトロポリス 脚本
2005年:スチームボーイ
2006年:FERRDOM-PROJECT
2018年:犬ヶ島 イラスト
2018年:NHKスペシャル 東京リボーン デザイン監修
「もう気分は戦争」は妙に気になりながら読む機会を逃していた。そして、社会人になりたての頃友人に頂いた。自分でお金を出して手に入れないと、どこか疎かになる。絵のタッチに興味を持つのだがストーリーに乗ってゆけなかった。 ところが次に出会うこととなった星雲賞、日本SF大賞を受賞した「童夢」の緻密さに心を奪われ。団地をこんなにも印象的に描けるなんて。 そして「AKIRA」に出会う。ついに、絵も物語も装丁もクールな作品が現れた。なんと言っても絵がすごかった。童夢の団地が大都会に拡張され緻密に描かれて、破壊され、俯瞰で魅せられた世界図は驚愕だった。登場するマシンもいちいちかっこいい。唯一女の子が魅力的に描かれていないのが不思議だった。こんなに絵が上手いのに・・・おしいことだ。 その後も幻魔大戦のキャラクターデザイン、ロボットカーニバル、迷宮物語・・・とどれも絵が素晴らしく、女の子が可愛くない。 だからだろうか、老人Zではついに女の子がとても可愛くなる。江口寿史がキャラクターを担当したのだ。大友さんは、原作脚本メカニックデザインを受け持っているのだが、キャラクターをよりによって、かわい子ちゃんを描かせたらピカイチの江口さんに頼んだのだから、相当色々なことを思ったに違いない。 MEMORIESでは菅野よう子を音楽に迎え、画風にも新たな面白みが加わり、女の子が可愛くなくてももうそんなことは気にならない、そんな方向性が見える。 メトロポリスでは脚本に徹し、アメリカでは史上最も優れたアニメの一つと評されている。 スチームパンクを素晴らしい映像で描いたスチームボーイだったが、なにかが物足りない。またしても女の子問題だった。ここに来てはっきりしたことは、大友さんの作品はとにかくマシーンや街並みの構成映像映し方が抜群なんだけど、人がどこか死んでいる。生きた人の感じがしないのだ。特に女の子が操り人形のような空虚な感じがしてのめり込めない。 カップヌードルのコマーシャルと宇多田ヒカルの音楽を得てかっこいい世界を見せてくれた。大友さんはキャラクターデザインに徹していた。
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