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執筆者の写真napple

松本零士

更新日:5月24日

2023/2/13


松本零士さんが13日急性心不全のために亡くなった。85歳だった。

ご冥福をお祈りします。


故人を偲んで模写した絵を集めた。















日記に綴られた個人にまつわる思い出。


■ある若者の秋■


 「男おいどん」を知っているだろうか。ガニ股で、四畳半に住み、トリとネコを飼い、インキン虫とタムシを飼い、押し入れには、シマシマのパンツを蓄え、おまけにその蒸れたパンツの中でサルマタケを養い、食ってしまうという、我ら四畳半下宿人の鏡とされた、とてつもなく格好の悪いメガネザルのことだ。彼は、また、この「男おいどん」の暮らし方、女からの振られ方も学んでいた。もちろん、トリもネコも飼っていないが、メガネもかけてはいないのだが、重い荷物を背負って山を歩くせいで、ガニ股の猿のようになってきていたし。インキンタムシも先輩にうつされ飼い始めていたのだ。押入れの中は、汗臭くなったパンツや靴下が押し込んであってムーッとした臭気がする。その中には先輩からかっぱらってきたシマシマパンツなどもあったが、いまだに、サルマタケは生えていないようだった。彼が「おいどん」から学んだのは、「おいどん」の気性と「おいどん」のようになってはいかんということであったが、最近、彼は、どうも自分の姿が「おいどん」にダブっているような気がして仕方がない。春に襲われたインキンタムシも、水虫の薬でなんとかおとなしくしている。一人暮らしは、自由で最高だけど、洗濯や、飯炊がうっとおしいのと、男一人はどうも汚くていけない、彼は掃除、洗濯、美味しいご飯を作ってくれる、優しい女の子を求め始めていた。



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