top of page
検索

251 夜明けの散歩

執筆者の写真: napplenapple

更新日:2024年12月20日

2021/10/15


晩秋から冬にかけて、夜明け前に散歩に出ると、住み慣れた街の風景がいつもとは違って見えた。 


2024/10/15 朝焼けと青信号



2024/10/31 朝焼けと赤信号



2024/11/3 夜明けの交差点

散歩の途中で夜明けがやってきた。暗闇に浮かぶ交差点は物語の気配がする。そして薄闇は時々不思議なものを見せてくれる。今日も路面に何かがいた気配がしたけれどフッと消えてしまった。妖精?きっと鳥に違いない。



2024/11/4 交差点の朝焼け

今日はどんな物語が始まるのかな?



2024/11/5 空を這うもの

夜が明けた。ふと見上げると、空を這う何者かが居た。



2024/11/12 朝焼けの街



2024/11/17 オリオン

明るい月に負けずにオリオン星座や北斗七星が輝いていた。



2024/11/24 本質を探る

 新しい技術が登場して、便利になる。時を同じくして、新しい技術を悪用してよからぬことを考えるものが現れる。なぜよからぬことを考えるのだろう。これは人間の本質なのだろうか。一歩ひいて本質だと認めたとしても、人は想像することができる。こんなことをしたら悲しむに違いない、困るに違いない、もしかしたら死んでしまうかもしれない。そういった想像力がよからぬことを考えたとしても、多くの人が考えるだけにとどめさせているはずだ。ところがこうしたことを考えない人がいるということか、あるいは、考えることはできるけれど、その想像など放棄してしまうほどによからぬことをせざるをえない事情が起きるのか。



2024/11/27 夜明け前の散歩

 夜明け前、いつもの時間に散歩に出ると、外は深い闇に包まれていた。見上げれば、我が家の屋根越しに北斗七星がひっそりと瞬いている。普段は見つけにくい北極星も、その下に小さく光っているのを確認できた。そういえば、いまやiPhoneで星座を写せる時代になった。露光時間が長いせいで三脚が必要なのだが、手持ちでも画像のブレを補正して、なんとか形にしてくれるのが心強い。


 常夜灯が点る歩道は、目で見るとただ暗いばかりだ。それが、写真に収めてみると、不思議に明るく、どこか幻想的な光景に変わる。こんな景色も、今のカメラだからこそ写せるのだろう。つい最近までは人の目のほうが性能でカメラを凌駕していたはずだが、いまや機械の目は暗がりの中でも、確かにモノを捉える力を持っている。


 冷たい空気の中、夜明け前の街を歩いていると、しばらくして体が温まってくる。およそ1キロ歩いた頃だ。人に出会うことは滅多にないが、たまに突然、誰かが目の前に現れる。そうなると驚きのあまり、挨拶をする余裕などない。ただ、慌ててすれ違う。


 夜明け前の空は、相変わらず暗い。そのはずなのに、写真に撮るとほんのり青みがかかって見える。目で見た光景とはまるで違う。普段慣れ親しんだ街並みも、まるで異国の地のように思えてくる。



2024/11/28 星

 星を見るのが好きだ。見飽きることがない。山登りをした時に見た、あふれるような星空をもう一度見たいと思う。しかし下界では街明かりのせいで、わずかな星しか見ることができない。天の川など、街にいればその存在すら疑わしいほどだ。我が街も例外ではなく、星は街明かりに阻まれている。それでも晴れた夜には、大空に描かれたような星々の美しい図形が現れる。星が多すぎないせいか、かえってその形がくっきりと浮かび上がるのだ。季節や時間によって見える方向は変わるが、見慣れた星の形を見つけると、心が弾む。その形は大昔からほとんど変わらないのだろう。昔の人々が星座に名をつけ、語り継いだ伝説を知ると、星空を眺める時間がさらに楽しくなる。


 水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星――これらの星を、昔の人々はどうやって見つけたのだろう。だいたい決まった形に並ぶ星々の中で、位置を変える星に気づいた者がいたのだろうか。毎晩観察し、記録をつけることで、やがてどこにどんな星が現れるかがわかってきたに違いない。だが、それらの星が地球の兄弟星であり、太陽の周りを回っていることに、どうして気づくことができたのだろう。現代人は知識としてそれを知っているからこそ当たり前に思ってしまうが、そうした知識がなければ、まったく想像もできないことのように思える。 

 三日月を撮影すると、カメラはこんな姿を捉えた。ただそれだけなのに、なぜだか無性に「すごいなあ」と思った。 



2024/11/30 朝の警報

今朝のこと

 目覚めると、妙な音がしていた。何だろうと思い、家の中を一巡してみたが、特に異常は見当たらない。そのうち、遠くでサイレンの音がして、それがやがて通り過ぎていった。どこかで何かが起きているのかもしれない。

 散歩に出かけると、先ほどの妙な音は警報の一部だとわかった。しかし、どこで何が起きているのかは依然として不明である。興味に駆られ、いつもの散歩道を変え、音のする方角へ歩いていくことにした。

 やがて、音の発生源は近所のカインズであると知れた。「ヒュン、ヒュン、ファン、ファン、一階で火災が発生しました、急いで避難してください」という機械的な声が大音響で町内に鳴り渡っている。しかし、煙も火の手も見えず、焦げ臭い匂いも漂ってこない。どうやら警報装置の誤作動らしい。通報すべきか少し迷っていると、ほどなくして消防車が到着し、続いてパトカーもやってきた。これなら通報の必要もあるまいと思い、再び歩き出した。

 まだ薄暗い町を歩いていると、警報音が鳴り響く中にもかかわらず、どの家も静かで人影もない。それぞれの家の中で何事もなかったように暮らしているのだろう。1キロほどカインズから離れると、サイレンの音だけが微かに届くが、メッセージの内容はもう聞き取れない。道路に出ると再び音が反響してくるものの、やはり言葉はぼんやりとしている。

 1時間ほど経つと、警報はようやく止んだ。今日は週に一度の買い出しの日だ。無事に用事が済むことを祈りつつ、家に戻る。



2024/12/1 影

 夜明けの散歩は、影がひっそりついてくる。街灯を通り過ぎるたびに、影はそっと横から前へ滑り出し、次の街灯で別の影がそれに重なって、四方に伸びる影がゆっくりと回転していく。



2024/12/5 ススキ

 街灯の下で、風に揺れるススキが「おいで」と手招きをしている。夜明け前の散歩道はまだ暗く、ひっそりと静まりかえっているが、どこかで人々が目覚め始めた気配がする。パンを焼く甘い香り、出汁のほのかな匂いが微かに漂ってくるからだ。遠くでサイレンの音が聞こえた。パトカーか、消防車か、それとも救急車だろうか。そんな音を聞き慣れていないせいで区別がつかないが、それもまた、幸せというものなのだろう。



2024/12/6 音楽で変わる景色

 イヤホンから流れるのはサイモンとガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」。朝焼けが青春映画のワンシーンめいて見えてくる。そんな絵空事に浸っていると、突然曲が途切れ、ウルトラQのテーマが流れ始めた。街灯の陰からケムール人が現れ、「不審者はお前だ」と指さしてきそうな妙な想像が頭をよぎる。だが実際のところ、あまりに気楽ではあるが、それでも自分なりに見回っているぐらいの気持ちはあるのだ。



2024/12/7 昴

 気温は七度。水もひんやりとしてきた。秋の終わりまでは短パンにTシャツで事足りたが、師走ともなるとそうはいかない。三十分も歩けば、汗がうっすらにじむ程度で、それでもパーカーを脱ぐ気にはなれない。寒さが増すと星がいっそう美しく見える。少し前までは肉眼でスバルがはっきりと見えたものだが、最近ではどれもこれもスバルに見えてしまう。そこでルテインというものを飲み始めたが、視力が良くなっているのか、それとも悪化が止まっているのか、よくわからない。それにしても曇ってドラマチックだな。


 「曇り空は、大気の気分をそのまま伝える信号だと」とはまさに言い得て妙だ。雲のない夜は星がよく見えるものの、雲のない朝焼けはどこか平板で物足りなく感じられる。しかし、雲がかかった空に朝焼けが差すとき、その光景は妙に心を騒がせる。きっと、それはその時々の自分の気持ちをそのまま映し出しているのだろう。そんなふうに考えると、つい能天気に納得してしまう。」



2024/12/6 暁のさすらい人

 夜明け前の町内は、人影がほとんどない。それでも、全くいないわけではない。ゴミを出す人、犬を連れて歩く人、ランニングに精を出す人。だが、私のようにただぶらぶらと散歩をする者は少ない。本日のさすらい人は、私を含めて四人だった。



2024/12/6 道路の落ち葉をはく

 朝の散歩から戻ると、家の前を箒で掃いている。ある日、近所のお婆さんが通りかかり、「何も落ちていないじゃないかね」と不思議そうに声をかけてきた。確かに、落ち葉ひとつ見当たらない。それでも毎朝、決まってこうして箒を手にする。「掃き清めているんですよ」と、つい口から出まかせを言ったが、それからは妙にその言葉が胸に残る。気づけば、いつしかそんな心持ちで箒を動かしている。



2024/12/15 太陽のような月

 いつものように散歩に出かけると、夜明けはまだ遠く、辺りは暗い。今日は雲ひとつなく、星が綺麗に瞬いている。ふと家陰から満月が顔を出した。その姿を写真に収めると、まるで太陽のように明るい。この写真が夜明け前だと、誰が思うだろうか。



2024/12/16 月が綺麗ですね


閲覧数:53回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page