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230 第13回春季全国高等学校演劇研究大会(春フェス2019)へゆく
2019年3月24日日曜日
「穂の国とよはし芸術劇場PLAT」にて2019年3月22日から24日まで、北海道、青森、兵庫、新潟、福岡など全国の高校演劇部の10作品が上演された。私は24日に上演された 久留米大学附設高等学校「الصحراء من جاءت فتاة ~砂 漠 ガール~」を鑑賞した。
中東の留学生と日本の高校生の交流を、3ヶ国語で言葉を超えたコミュニケーションを描く意欲的な作品。留学生と高校生が一緒のシーンでは留学生が日本語を話し、高校生が中東の言葉を話す演出に意表を突かれた。この演出のおかげで、高校生たちの言葉がわからないため、留学生の気持ちで舞台を眺めることになる。時折片言の英語で話すあたりもリアリティーを感じる。しかし、会話の半分がわからないまま、最後まで何を言っていたかわからなかった点が残念だ。謎の猫が登場したとき、猫を介してこの問題が解決されるのを期待したが、謎の猫は謎のままだった。
主人公が留学生とコミュニケーションが取れずに苛立ち、怒り出してしまうけれど、丸く収まる流れは、未消化で、どうしてそうなったか伝わって来ない。テロやISに関する不安を最初語り始めるので、こうした問題をどう高校生たちが消化していくのだろうかと楽しみにしていたが、最初に触れただけで物語の中にはそうした問題は取り上げられない。もちろん盛り込み過ぎては台無しだが、着想がいいので、もっと良くなるように思う。とにかく3ヶ国語をまくしたてる彼女たち、よくセリフを覚えたものだ。
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