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225 古文書読解講座 第5回目 最終回

2018年11月2日金曜日

本日の古文書は「借金証文」

借用申金子之事

一、金五両二分也

右之金子要用に付き書面の通り借用致し候処

実正也返済の儀は年一割の利息相加え

来たる午(うま)十二月限り元利相違なく返金申すべく候

右質物として寺領納米書き入れ置き候後日のため

證文よってくだんのごとし

      證人領家村 忠兵衛

      頭陀寺領主 千手院

文政四辛巳(かのとみ)年十二月(1821)

   西恩地村 治郎助

 

江戸時代、為政者は税金(年貢)を集める仕組みを維持する事が政治だった。地方の取りまとめを寺に任せ(寺請証文)、自治組織(五人組)をおいた。

寛文・延宝期(1673−1681)

 江戸時代の体制が固まる

元禄期(1688-1704)

 石高制の矛盾が表面化してくる

享保の改革(1716)

 8代将軍徳川吉宗が定免制で年貢の強化

 新田開発で農民の支援を進め

 家康の時代に戻そうとするが失敗

宝暦の改革(1752)

 殖産興業が進み貨幣経済が進行する

寛政の改革(1787-1793)

 借金の棒引きをする棄捐令(棄捐令)を出す

天保の改革(1830-1844)

 水野忠邦が行なった政治経済改革

 倹約・風俗粛清・江戸大阪10里四方を天領化

 上知令で激しい反対にあい忠邦は失脚

 一方西南諸藩の藩政改革が成功し明治維新へと進む

この古文書の時代は江戸時代末期のもので「借金証文」である。文面には「年1割の利息をつけて元金を返済」と記されているが、実情は金利だけを収め元金が返済できない状態だったようだ。

 

本日最終日、5回も何を聞くのだろうと思ったがあっという間に終わってしまった。読めるようにはなっていないが、なんとなく敷居を一またぎした感じである。そもそも古文書を解読するという事は、文字を読むのが目的ではなく、先人がどのような暮らしを営んでいたかを垣間見る手段として読みたいわけで。既にある古文書の解説を鵜呑みにせず、解説からこぼれ落ちた意味合いとか、自分たちの住んでいるところに当てはまらない通説などを、実際に古文書を読み解くことで、知ることができるようになるということになる。小木先生ありがとうございました。

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