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223 古文書読解講座 第4回目

2018年10月26日金曜日

江戸時代すでに「慶安の御觸書」や「武家諸法度」によって庶民や武家の暮らしは細々と規定されていた。それによると土地の売り買いは禁じられていた。しかし、古文書を見ると明らかに売り買いがされていたことがわかる。今回読解を試みている「頭陀寺文書」の「田地証文」はよく見ると形式がよく似ているが微妙に書き方が異なるものがあり、歴史的用語で言うところの「期限付き田地証文」と「無期限田地証文」があり、前者は「質地証文」で後者が「借金証文」なのだという。庶民は法律を拡大解釈して生活していたということらしい。最近は拡大解釈しようものなら袋叩きされかねないご時世ではある。

 

譲り渡し名敷田地之事

    巳ノ御検知御水帳之面

    十分の一引納所高

高合六斗八升目

右者我等先祖より所持田地此度貴殿へ相譲り

為礼分金子三両と永六十文分遣慥かに受取り御年貢

・・・

加判与って件の如し

・・・

かいつまんで言うと

6.8斗の土地について先祖代々所持してきた田地を貴殿に譲ります。

つきましては礼金として3両と永60文をいただきます。

・・・は土地に関する細々としたことが書かれ

署名捺印しました。

と言う感じである。前回は最初に地価と代金が明記されていたが

今回の文書は売るとは書いていないが譲るとし、礼金としていくら

いただきますと文中に記載している。

 

お金の相場について

幕府は慶長14年(1609年)に金1両=銀50目=1貫文=4貫文としていたが、小判の相場を維持するため元禄13年(1700年)に金1両=銀60目=銭4貫文と改訂した。米経済が貨幣経済に移行し幕府は力を失ったと言われている。

 

余談

一柳慧氏、池辺晋一郎氏が文化勲章を受けることになった。両氏は浜松国際ピアノコンクール立ち上げに深く関わり、当講座講師小木香氏も市の職員として立ち上げに関わりお世話になったそうである。一柳氏はオノヨーコの前夫でもあったとのこと。全く関わりないのであるが、なんとなく関わりができた気になり、目出度く思う。

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