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221 古文書読解講座 第2回目

2018年10月12日金曜日

古文書の多くは「年貢免定」などの証文が多い。江戸時代は今のように個人に対して税金を課すことができなかったので、村役人(名主、組頭、百姓代)を通して年貢や諸役を連帯責任で納める村請制度を取っていた。本日読解したのはそうした税金を納めなさいという村単位に発給された「年貢割付状」別名「年貢免定」である。頭陀寺の院主から西恩地村の名主に宛てられた免定で、以下のように書かれている。

 免定             太郎左衛門方

一、田畑総合三十八石九斗一升三合四夕目

  本高三十七石目

   内一石目 庄屋給引

四ッ五分

  残 三十六石二斗

一、新田高一石九斗一升三合四夕

 訳 六斗二升八合二夕四才   白山領引

   一石二斗八升五合一夕二才 大蔵院引

右の通り庄屋組頭立会い高下無之様尓

割付来極月二十日以前急度

皆済致す可き者也

                安養院 印

             年預 円成院 印

文化十年酉十一月晦日      院主  印

             総百姓中

大雑把にいうと「検地では38石だが実際の取れ高は37石で、うち1石は庄屋の手数料。残りの36石に対して45%の税を課す云々・・・」結構細々と書かれている。これが読めると、他の免定も似たような内容なのでなんとなく読めてしまう。

ちなみに借金の証文が沢山古文書として出てくると、うちの先祖は借金ばっかしていたのかと思いきや、そうではなく、年貢の不足分を納めるために代表して借金したなどの記録と思う方が実情に即しているらしい。なるほど借金の証文が出てきたからといって必ずしも嘆かなくてもいいようだ。

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