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042 南八ヶ岳 秋合宿1978
1978年10月27日金曜日
バスを降りる。しとしとと雨が降っていた。美濃戸口からの緩やかな登りは、広い両側が轍で凹んだ道だ。小雨降る紅葉の道をカッパの上着だけを着て黙って歩く。小雨にかすんだ山肌がうっすらと美しい。昨夜来の雨で水嵩のました川が轟々と流れ、時折山道まで川にしている。見慣れぬ鳥がしっとり濡れた木の枝に止まって木の実をついばんでいる。黄色く染まった落葉の絨毯のような道をサクサクと登っていくうちに、先程来の小雨の中にみぞれが混じり出し、ついに雪になった。サイト場である赤岳鉱泉に着く頃には、風も強くなり、周りは真っ白、ガスと雪に覆われ何も見えない。初めての経験で1年生の手際が悪い、テントがなかなか立たない。刺すような寒さを振り払いキスリングに座って待つ。明日の行動が心配だ、天候が悪くては赤岳のキレットは危ない。主将と主務が同じパーティになるたった一回の山行だった。
茅野→美濃戸口→赤岳山荘→赤岳鉱泉△→赤岩ノ頭→硫黄岳→横岳→赤岳石室→赤岳→キレット小屋△→権現岳→編笠岳→延命水(Dparty)
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