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021 南アルプス 夏合宿1977
1977年7月22日金曜日
南アルプスブッシュ越えである。現在位置を得るために、コンパスを見ながら地図を実際と同じ、東西南北に広げ、現地の目標物になるものを起点に、現在位置を想定した。目標物は、ルート上の道標や、周囲の山のピーク、沢筋、尾根筋などだ。尾根筋を間違って認識すると、いつまでたっても現在位置がわからない。そんな時、ケルン(山頂や稜線に見られる積み石)や、岩のペイント、木に巻きつけたリードが見つかれば、少なくとも今進んでいるところがいずれかのルート上にあることを教えてくれる。富士登山道に、誤ったリード表示が書かれていたことがある。悪戯だろうが、誤ったリードは命に関わる。トイレには落書きがあるものだが、標高が低いと下品な落書きが多く、標高が高くなるに従って、高尚な落書きになっていった。誰もがしんどい思いをして山を登る。高いところまで行くほどに、みんなよく来たなという気持ちになったものだ。でも、安易に行けてしまうと、そうした心持ちにはなれないのだろう。下品なことを書いたり、人を迷わすことを平気でしてしまう。今回ブッシュ越えでは、明確な道がないところを進むので、難儀するのだが、そんな中に時折見つかるリードにずいぶん助けられた。でももしミスリードされていたら。無事ではいなかったかもしれない。
戸台△→丹渓山荘→北沢峠→北沢長衛小屋△→甲斐駒ケ岳→馬の背→仙丈小屋△→野呂川越→両俣小屋△→肩ノ小屋→北岳→間ノ岳→農鳥稜線小屋△→笹山→白剩山→奈良田越△→西別当代山→転付峠→二件小屋△→内河内広河原(Bparty)
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