top of page
002 金剛山 1次錬成1976
1976年5月14日金曜日
初めて歩きながら気を失う。ザックに土入りのドンゴロスを詰め込まれ、雨中の山行となった。カッパを着ても、汗でびしょ濡れになる。カッパを着ても着なくても濡れることに変わりはないのだが、カッパのおかげで体温が奪われるのを防ぐことができる。ゴアテックスが出始めたが、新入生はそんな洒落たものは使えない。雨のことなどどうでも良いくらい、意識が朦朧としたまま歩いていた。重いザックに締め上げられ、定期的にしゃくって血行を促さないとザック麻痺になる。ザック麻痺になると、しばらく箸も持てない。あまりの辛さに、何度も逃走を考える。気を失うという経験を初めてした。気を失っても、しばらく休むとまた歩けるのが不思議だ。峠の名称から、かつて修行の場であったことが察せられる。調べると約1300年前、役行者が修行した山だった。1万回登山した人や、1日で17往復した人がいる。
南海高野線天見→蟹井八幡△→西の行者→杉尾峠→行者杉→千早峠→久留野峠→伏見峠→一ノ鳥居→金剛山→横峰→関屋→近鉄御所(Bparty)
bottom of page